袋井市から届ける「愛の手紙」

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袋井市から届ける「愛の手紙」

『思いやり』 第7回準優勝作品

 病院のベットの上、当分上半身を起こすことのできない僕はイラついていた。目の前はいつも天井だけ。そんな僕の唯一の楽しみ、それは同部屋で隣のベットにいる君とのささやかな会話だった。君は僕を励まそうと毎日窓の外の情景を教えてくれた。「鳥が木の枝で一生懸命毛づくろいをしている」とか「今日の夕焼けは最高」と。

 やがて回復していき、とうとう明後日が退院という日、隣のベットから君の姿が消えた。そして看護婦さんが今日までの君の秘密を打ち明けてくれた。君は目が見えなかったのに、僕を励ますためにやさしい嘘をつき通した。君が亡くなってから初めて知ったよ。目が見えなくても心の中はきっと満ちあふれていたんだね。君は僕に人を思いやる気持ちを教えてくれた、幼い日の僕に。

 大きくなった今でも決して忘れない君がくれた思いやり。 
 (神奈川県 20歳) 品川勝史

袋井市文化協会は、設立50周年を記念し「心に残る珠玉の愛の手紙」を出版しました。
この本は、20年にわたり「愛の手紙コンクール」に全国から寄せられた作品の中から秀作を選び、一冊にまとめたものです。

ページをめくるたびに、こみ上げる感動を押さえられず、涙が止めどもなくあふれ出します。

いつもブログをご覧いただいている皆様に、そして皆様の大切な方に、ぜひお読みいただきたい一冊です。

わがまち袋井に、全国から愛を届けてくださった皆様と、ふるさとに愛の種を蒔き育ててくださった協会の皆様に感謝です。



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